旧学科(マテリアル工学科)の在学生・卒業生からのメッセージです。
物理学が大好きです。物理学の一般式は明確でシンプルで美しく、理解するまでは悩まされますが、分かるとストンと腑に落ちる感じ。発見した人はすごいなぁと思います。現在は、研究室で鋳造を学んでいます。鋳造専門のゼミは全国的にも珍しく、貴重な経験ができます。鋳造・鋳鉄は産業用機械や自動車部品などに需要がありますが、鋳造法の革新やより良い鋳鉄の開発ができれば、社会は変わるはず! 長年研究されながらもまだ発展の余地がある、夢のある学問だと思います。
将来は、材料系の研究職に就き、結婚も子育てもしたい。どれもあきらめず元気に働いて、女性研究者のロールモデルになるのが夢です。高校生の女子のなかには、興味があっても、「男社会だから…」と悩んでいる人がいるかもしれません。でも、好きならぜひ挑戦してほしい! 女子高生が憧れる、女子学生も研究しやすい環境を作れるよう、私たちも頑張ります。
将来は高校の物理の教員を目指しているので、教員免許を取得でき、さらにものづくりの土台である材料を深く学べるマテリアル工学科を選びました。
現在は修士1年で、鉄系超伝導体の発現機構についての研究に取り組んでいます。いまだ解明されておらず、注目度の高い最先端のテーマに、希少な試料を対象に希少な実験方法で挑むことができる環境が、何よりも魅力です。実験は予想通りに進まないこともありますが、予想が外れることも面白さの一つ。学会等で発表の機会をいただけるのも、励みになります。研究室のメンバーは仲が良く、誰かが投げかけた疑問について全員が反応し解決を試みる雰囲気が好きです。
大学は、高校と比べて圧倒的に自由です。でも、制約がある中で一つのことに全力を注ぐ経験は、高校生活ならではの魅力。高校生の皆さんには、ぜひ何かに夢中になってほしいと思います。
大学では金属製錬に関する研究を行いました。学術的な側面だけでなく、金属の生産に寄与する実操業のプロセスを学べたことは、社会に出て働く上で大いに役立っています。
就職にあたっては、研究室で学んだことを直接生かせる仕事を求めました。現在の企業に決めた理由は、業界におけるリーディングカンパニーの一つであることと、他社にない独自の製錬プロセスを持っている点に魅力を感じたためです。入社から現在まで、銅や貴金属等の金属製錬に関する研究開発に携わっています。今後は、開発業務での経験を活かし、生産現場で直接操業に関わる技術者になりたいと考えています。
入学時に将来の夢や希望する進路が決まっていなくても、構わないと思います。私もそうでしたが、大学でさまざまな分野を学び、幅広い視野を養う中で、自然と興味の引かれる方向が定まってくるはず。学ぶ環境の整った岩手大で、存分に力を発揮してください。
JASRI産業利用推進室の特任専門職員として、兵庫県にある大型放射光施設SPring-8で働いています。大学の修士・博士課程時代から共同で研究を行うなど関わりがあり、研究分野が非常に興味深かったことや、優れた研究者が多く活気に満ちた雰囲気に憧れ、応募しました。国内外から研究者がやってくる実験施設で、私は技術開発や実験支援を行い充実した毎日を過ごしています。
学生時代を振り返ると、当時の材料物性工学科は専門分野だけでなく物理や化学も学べたり、本格的な装置を独り占めできたりと、大変恵まれた環境でした。研究室時代、自分が設計・作製した装置を使って有機分子の並びに関する実験に成功したときの感動も忘れられません。これらの体験が、私を現在の仕事に導いてくれたと思います。卒業して分かったのは、「堂々と教えてもらえるのは学生の特権」だということ。貴重な学生時代、たくさんの体験と学びを得てください。