中西・脇舎研究室

量子物性計測・新規物質探索と純良単結晶育成

私たちの身の回りに存在する物質は全て原子によって構成されており、個々の物性はその原子の種類と配列により特徴づけられています。1原子では出現しない特性が膨大な数の原子が集団になることで多種多様な物質の特性が現れます。具体的には原子が結晶化し多体原子集団を構成すると、電子間の著しいクーロン相互作用により電子は他の電子の動きを見ながら自身の動きを決め、非常に複雑な運動を強いられます。この電子相関によって高温超伝導、重い電子状態、電気多重極秩序、巨大磁気抵抗効果といった極めて興味深い物性現象が出現します。

量子物性計測

こうした新規物性現象の解明には電子自身の低エネルギー励起を詳細に調べることが必要不可欠です。さらに極低温、強磁場あるいは高圧力といった複合極限環境下ではこうした物性現象が一段と際立たせることが可能です。こうした極限環境下での精密な量子極限物性計測、特に超音波計測を主要な実験手法として、希土類化合物、遷移金属化合物をはじめとする電子相関の強い強相関電子系に創出する新奇物性探索とその機構解明を行っております。

新規物質探索と純良単結晶育成

新規物性現象を研究する上で、その研究対象となる物質の開発が不可欠です。この開発には、着目している現象を観測するために必要となる条件、たとえば原子の配列から生じる対称性を考慮した結晶の合成などが必要になります。また、興味ある物理的性質の機構を解明する上で、原子が規則正しく配列し、欠陥や不純物が少ない単結晶試料が不可欠となる場面も多くあります。フラックス法やブリッジマン法といった合成手法を用いて、興味深い物性現象を発現させるための条件を満たす物質の探索や、物理現象の機構解明を進める上で役立つ純良な単結晶試料の育成を行っております。

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