FACULTY OF SCIENCE AND ENGINEERING, GRADUATE SCHOOL OF ENGINEERING, IWATE UNIVERSITY

物理・材料理工学科 数理・物理コース

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中山研究室

高圧力を用いた物質の高密度化と新規物性の研究


教授 中山 敦子

圧力は、物質を構成する結合状態や結晶構造、それに基づく物性を系統的に変化させることができるため、物質探索にとって極めて有用なツールです。ヘリウム、水素等の圧媒体を用いた静水圧環境でのその場観察は、各温度、圧力における構造、物性を定量的に求めるに留まらず、物性を誘起するメカニズムの精密な解明に役立ちます。

炭素原子同士が結合するとπ結合、σ結合をつくります。これらが無限に繋がると、ナノチューブ、グラフェン、グラファイト等、様々な次元を示すカーボン材料をつくることが知られています。炭素のもつ構造の多様性と、構造・物性を容易に制御できる圧力とを組み合わせて、今までにない新しい結合や相互作用、相転移による新しい結晶構造を探索し、物質設計への還元を目指しています。

また、周期表で炭素の両隣にある硼素、窒素は、それぞれ炭素よりも電子が1個足りない、1個多い元素です。両者は互いに電子を共有し、炭素同様、様々な形をもつ窒化硼素化合物をつくります。炭素は金属から絶縁体まで様々な電子状態を示す一方で窒化硼素はどれも絶縁体です。我々は炭素の構造と性質を手本として圧力をかけたり、元素を付加することで、窒化硼素の新たな機能の発現に向けた物質探索をおこなっています。


放射光を用いた高圧粉末X線回折実験
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